一般的には耳慣れない「肛門腺」という言葉ですが、ワンちゃんを飼われている方なら動物病院やトリミングサロンなどで耳にしたことがあると思います。
「肛門腺」とは、肛門の左右にある臭腺のことで、小さい袋状になった二つの「肛門嚢」が形成されています。
その袋の中には脂状の分泌液が溜まるようになっており、ニオイや形状（サラサラ、ドロっとしている、など）は個体差があります。
スカンクやイタチがものすごく臭いおならをすることは有名ですが、それと同じようなもので、かなり臭いです。
大型犬などは、排便時に自分で絞り出せる子もいるようですが、小型犬や高齢犬、肥満気味の犬など、ほとんどのワンちゃんは自分で肛門腺を絞り出すことが出来ません。
この分泌液がどんどん溜まってしまいますと、細菌が繁殖して炎症を起こしてしまいます。
「肛門嚢炎（こうもんのうえん）」という病名が付いていて、症状は次の通りです。
・肛門周辺が赤く腫れて出血している
・排便時に痛みで鳴く
・肛門をしきりに舐めている
・お尻をこするように歩く
このような行動や症状がみられたらすぐに受診してください。
そのまま放置して悪化すると、肛門嚢が破裂してしまう恐れがあります。
肛門腺は、溜まりやすい子とそうでもない子がいますが、一般的に一ヶ月に1回程度は絞ってあげるのが良いようです。
かなり強烈なニオイなので、シャンプーのついでに絞ると良いでしょう。
コツは、犬の肛門をアナログ時計に見立てて、4時と8時の場所を扇形に下から押し上げるようにして絞ります。
かなりの勢いでピュッと出てきますので、顔を近づけすぎないように気をつけてくださいね。
肛門腺絞りを嫌がる子も多いので、自分でされる場合は爪を短く切っておくなどの配慮をして、あまり力いっぱいせずに優しく絞ってあげましょう。
どうしても難しい、上手くいかない、という場合は動物病院やトリマーさんにお願いするのが安心です。
シャンプーのついでにやってくれるところも多いですし、別料金で肛門腺絞りだけをお願い出来るところもあります。
